SNSなどで話題になっているヒルドイド。
美容目的で使うものではないんですよね。
その通り。
処方薬のヒルドイドは治療薬ですね。
市販でも同成分のものがあるので
理解しておきましょう!
ヒルドイドは皮膚の治療薬
SNSなどで「化粧下地にいい!」「皮膚科で処方してもらえるよ!」と
話題にもなっていましたが、物議を醸していたのをご存知でしょうか?
美容目的で「処方してほしい」という声が多く医療費を圧迫するという事態になりました。
患者に言われるがまま、処方してしまう医者も良くないですが…汗。
ヒルドイドはもともと、アトピー性皮膚炎・ひどい乾燥などの「治療」が目的のお薬です。
効果・効能は以下の通りです。(公式HPより)
- 血栓性静脈炎
- 血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患
- 凍瘡
- 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
- 進行性指掌角皮症
- 皮脂欠乏症
- 外傷後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
製剤としては4種類あり、使用部位や季節で使い分けられているようですね。
クリーム、ソフト軟膏、ローション、フォーム、それぞれヘパリン類似物質0.3%配合されています。
代表的な保湿剤との違い
尿素製剤、ワセリンとの違い
医薬品として代表的な保湿剤として、他に尿素製剤、ワセリンがあります。
何が違うのでしょうか?
まずヘパリン類似物質が含まれるヒルドイドは、吸湿して角層に水分を付与する作用があります。
そして持続的な保湿効果があるが特徴です。
尿素製剤も、吸湿して角層に水分を付与する作用があります。
加えて角質を融解作用があるため、バリア機能が低下した皮膚では刺激を感じることがあるようです。
ワセリンに関しては、角層に水分を与える作用はありません。
油分が皮膚を覆うことでフタとなり、皮膚の水分蒸散を防ぎます。
ただ、べたつきを感じつことがあるという特徴があります。
保湿効果の実験
皮膚の水分蒸発量
角層水分量を、ヒルドイドソフト軟膏0.3%、ワセリン、尿素製剤で比較した実験があります。
ヒルドイドは塗布1日後から水分蒸発の低下が認められていますね。
塗布5日後まで基剤(有効成分のないベースとなるもの)と比較して有意に低下しています。
皮膚の角層水分量
ヒルドイド塗布部位では塗布5日後まで基剤と比較して有意な上昇が認められました。
特に3日目以降は正常の皮膚を大きく上回る、驚きの結果です。
かなり保湿効果が高いことが分かりますね。
市販薬の「カルテHD」とは
カルテHDの特徴
ヒルドイドを扱うマルホとコーセーとの合弁会社「コーセーマルホファーマ」から発売されている商品です。
同じようにヘパリン類似物質が0.3%配合で、医薬部外品の種別になります。
薬局で購入することができる、スキンケア商品ですね。
ラインナップとしては化粧水、乳液、クリーム、オールインワンゲルがあります。
主な特徴はこちら。
- 保水有効成分であるヘパリン類似物質配合
- 肌あれ防止有効成分(グリチルリチン酸ジカリウム)配合
- うるおいバリアCPX(スクワラン・セラミド類似ポリマーなど独自保湿成分)配合
- ナノカプセル化技術を応用した「潤い浸透カプセル」使用
- 無香料、無着色、 エチルアルコールフリー、低刺激処方
皮膚の保水・保湿効果が高いヘパリン類似物質に加えて、化粧品会社であるコーセーの技術が組み合わさっています。
カルテHDの効果
化粧水、乳液、クリーム、オールインワンゲル、それぞれ同じ効果・効能があります。
公式HPを参考にまとめたものがこちら。
- 肌あれ・あれ性
- 皮膚にうるおいを与える
- 皮膚の乾燥を防ぐ
- 皮膚を保護する
- 肌を整える
- 皮膚をすこやかに保つ
- 肌をひきしめる
- 日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
- かみそりまけを防ぐ
- しもやけ・ひび・あかぎれを防ぐ
医薬部外品なので、有効成分の効果が期待できます。
皮膚疾患などの治療を目的とせず、スキンケアとして保湿や潤いを求めるなら市販薬を使いましょう。
まずは、普段のお手入れに保湿クリームを加えてみるのがおすすめです。
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